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保険とギャンブルにはいくつかの類似点があります。どちらも不確実な出来事に対し、大金が支払われるという点は同じです。カジノビジネスにおいて、経営者は各ゲームの様々な結果や、ユーザーの勝率を評価する必要があります。あるスロットマシンのペイアウトが大きすぎればカジノにとっては損失になるので、そのマシンは稼働を停止させなければなりません。保険の世界もこれと同様です。保険会社は、予期せぬ大量の保険請求を扱っています。確率的なデータはあるものの、特定の時期に思いがけず保険の請求が急増するということは常に起こり得ます。

どちらの業界でも、変動を小さく抑えることが必要とされます。これは、大勢の顧客を獲得することで実現可能となります。ギャンブルも保険も、プレイヤーや加入者が大勢いるからこそ成立しているビジネスです。サービス利用者が多ければ、たまに大きな金額の払い戻しを行っても利益を出すことができるというわけです。

また、心理面でもギャンブルと保険は似ています。それは、どちらのサービスの利用者も、自らの意思で、サービスを利用しているということです。国民健康保険料の支払いは世帯主の義務ではありますが、それでも払わないという選択をする人もいます。彼らは、自分に保険が必要になることはない、という確率に賭けているのです。ギャンブルでも、これとよく似た行動が見られます。即ち、どちらの顧客も、最終的には自分が勝つことを願って、その可能性に賭けているのです。意思決定には様々な心理的バイアスが絡んできます。カジノも保険会社もそのバイアスを利用して、利益を得ているのです。

ギャンブルと保険の相違点

ここまでギャンブルと保険の類似点をご紹介してきましたが、今度は両者の違いを見ていきましょう。大きな違いのひとつとしては、保険ではあらかじめ決まった額がカバーされるということです。保険加入者は、ギャンブラーとは違い、利益を得られることはありません。保険の目的は、損失を抑えることにあるからです。

他方でギャンブルは、お金儲けを狙った非常に投機的な活動です。また、ギャンブルを始める際に決められた固定料金もありません。ギャンブルは各人が好きな金額で始めることができます。

もうひとつの保険とギャンブルの違いは、時間的な枠組みです。ギャンブルでは、賭けてから払い戻しが発生するまでの時間は短い、もしくは一瞬というケースもあります。一方で、保険の払い戻しは、加入から何年も経ってから発生することもあるのです。そして、保険会社にとっては、保険ポリシーが長期的に見て利益につながるかどうかは分からないのです。

まとめ

保険業界でもギャンブル業界でもリスク管理は非常に重要です。カジノビジネスではリスクは投機的であり、保険ビジネスでのリスクはタイミングが全てです。どちらのビジネスも大量の顧客と人の行動心理を利用して、ビジネスモデルが構築されています。